お客様は神様+師匠です

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今日は邦楽サロンで久しぶりに「情景三章」を演奏しました。

「情景三章」は私が亡き師匠・沢井忠夫先生から最後にお習いした楽曲です。私の拙い言葉では表現不可能なほど、大好きで大切な楽曲です。だけど、赤裸々な心で想いの全てを吐露するべきこの楽曲は、超絶技巧のオンパレードですし、相当の精神力も必要不可欠ですし、勇気を要する楽曲なのです。
例えるなら、トリプルアクセルを連続する試合!?のような挑みなのです!

私は常に「同じ楽曲を演奏する時には、何かほんの少しでも成長することをノルマにする」という過酷!?な試練を心掛けています。これは、必ずしも技術の完成度という意味だけではなく、総合的な意味でですが、なかなかこれが簡単なようで難しいのです。「情景三章」はそのような過酷な試練をパスする為にはリスクも高く、ここのところ疎遠!?になっていたかもしれません。そういえば、今から4年程前のリサイタルの時、「これでこの曲を弾くのが最後になっても後悔しないだけの演奏をしよう!」と心に誓って演奏して以来でした。最後に弾いた時にそのような覚悟で挑んだ楽曲だけに、いやはや今回は非常にプレッシャーでした(汗)。あくまで自身の内側での闘い!?なのですが…。

 

お聴き下さるお客様全員の息遣いがリアルに感じ取れるような密な空間での「情景三章」は、どうなることかと不安な気持ちも大いにありましたが、いざ本番は、本当にリラックスして挑むことが出来ました。お客様お一人お一人に支えて頂けたと実感できる最高のひと時でした!これがあるからやめられないのですよね~♪

 

最後のレッスン風景や、これまでにこの曲を演奏してきた数々の場面、その時々の精神状態や心の陰り、沖縄の美しい海を愛でた時に思う感情・・・などが次々に浮かびそれに助けられました。

 

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最近、色んな人から「とても楽しそうに箏を弾きますね」とのお言葉を頂きます。

箏を弾くことが「楽しい」と思ったことは一度もないので意外でしかなかったのですが、なるほど、なるほど!楽しいってこういうことなのですね!箏を弾いている時が、一番自分を見つめ返し、自分に向き合い、相棒の楽器やその場のお客様や空間を愛しているようです。何より、余計な「いらんこと」が空な状態!これって最高だなって思います。

 

だからこそ、日頃の苦しい鍛錬もしっかり楽しまねば・・ですね・・・!

私は弱くて甘い人間だから、本番をお聴き下さるお客様あってこそ、その鍛錬も何とか乗り越えられているようです。

<お客様は神様です>という言葉がありましたが、その通り!

本当に私の演奏を聴いて下さる方々に感謝せずにいられません。

これからも、宜しくご支援、お見守りの程、宜しくお願い申し上げます!!!!!