ガチンコ勝負

心の底から敬愛する先生に、箏が弾けないくらいどん底であがきもがき苦しんでいる最中、素晴らしいお言葉を頂戴出来たことは、その後の私の人生に光を与えて下さる有難い好機でした。
そのお言葉とは、「一隅を照らす活動」です。
私はこのお言葉をきっかけに、東京から田舎に帰る決心がつきましたし、そこで私だからこそ出来る演奏や活動を展開しよう、それこそが私の一隅を照らす生き方なのだと。

まだまだ転んだり、しくじったり、立ち往生することも多い未熟者ではありますが、この「一隅を照らす活動」を一瞬たりとて見失わずに試行錯誤しています。

その最たる活動の一つに、愛する地元・茨木市文化振興財団主催の横山佳世子の邦楽サロンというシリーズレクチャーコンサートがございます。

これまで邦楽に馴染みのなかった方や、昔少し習った経験はあるけど忘れてしまったというような方などなど、地元のシニア世代の方を主たる対象に、邦楽の魅力を様々な視点からご紹介する主旨で30名様限定の催しです。昨年度スタートしまして現在までに4回の開催を終えています。

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お陰様で毎回好評を博し、発売してから早い段階で完売御礼となっていると伺っています。そして、終わった後に「前回も前々回も、申し込んだ時には売り切れで来れなかったけれど、今回やっと来れた。これからも楽しみにしています。」なんていう嬉しいお声を直接お客様から頂いたこともあります。

今回は、「邦楽入門編」という点を意識して、漠然と知っている「おこと」とは実は・・・・って部分から、レクチャーも存分に楽しくご理解頂けるよう構成してみました。
楽器のこと、歴史的なこと、作品の背景のこと、技術的なこと、演奏家の裏話、何よりもこれから鑑賞して頂く楽曲の聴きどころなどを知った上でお聴き頂き、<またこのサロンに来たい><邦楽って面白い>とより感じて頂きたいのです。
だから、箏や邦楽を嗜んでおられる愛好者の方には<釈迦に説法>のようなレクチャーがあって退屈されるやもしれません。

今回の企画にあたり、選曲を過去最長の時間を要し、悩みに悩みました。
よく言われるように、古典は眠たくなるし退屈だから避けた方が良いとか、長い現代音楽は難解だと思われがちだから短めの派手なパッセージの多い作品を選んだ方が良いとか、初心者の方でも知っている童謡や演歌、クラシックなどのジャンルの曲の方が喜ばれるとか、そんなことも一つ一つ今一度じっくり考えてみましたが、結果的に私が選曲した楽曲は、古典と壮大な現代作品です。
私自身が、大好きで、自信を持って名作品としてご紹介する方が魅力が伝わるのではないかという答えを出しました。
白楽天の文学を題材とした楽曲2題ですので、箏ではなく、そっちからの興味でお運び下さるような方がいらしたら企画者冥利につきます!!!
この機会、先述の通り、鑑賞して頂くにあたって「長恨歌」と「琵琶行」の解説も務めたいので、演奏の為にもレクチャーの為にも、しっかり漢詩のお勉強をしようと思って図書館通いをしていましたが、分厚い本格的な著書しか見当たらず、チンプンカンプンだった私に、先日久方ぶりに再会した親友が貴重な教科書を恵送下さいました!!!!

なんてこと!こんなジャストミートってあるのかしら。
早速、お勉強を開始させます!!!
レコードが擦り切れるほど聴くという言葉がありましたが、それこそ紙が穴あくほど熟読する所存。
貴重なお勉強の機会に感謝しつつ、精一杯、全身全霊で「一隅を照らすサロン」を目指します!本日発売開始です。どうぞ応援宜しくお願い致します。

http://www.ibabun.jp/eventLeaf.php?eid=00187

 

 

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